インプラントを埋入したあと気をつけなければならないのは、インプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎とはどのような症状で、どのようなことに気をつければ防げるのでしょうか
目次
■インプラントはどのように埋入されているの?
◎歯槽骨と直接結合
インプラントと天然歯の違いは、その結合の仕方です。
本来天然歯と歯槽骨の間には、歯根膜という膜があります。
これが歯槽骨と歯根を、血管や弾性の組織などでつないでいます。
しかしインプラントにはこの歯根膜がありません。
そのための歯槽骨と直接結合していることになります。
クッションがなく直接固い組織と金属が結合しているイメージです。
◎矯正でも動かせない
また歯根膜が押されると歯槽骨は吸収し、引っ張られるとそう歯槽骨の増生が起こります。そのため天然歯を矯正する時は、この作用により歯が希望の位置まで動きます。
しかしインプラントには歯根膜がないため矯正で動かすことができないのです。
■インプラント周囲炎とは
◎鍵は歯根膜
インプラントと天然歯の違いは歯根膜にあることが分かりました。
この歯根膜はクッションのような役割をしています。
そのため歯周病で炎症が起こる時もこの歯根膜があいだに入るために、炎症の波及はインプラントに比べるとゆっくりとなります。
インプラントはこの歯根膜がないため、炎症が起こるとすぐに歯槽骨に広がってしまいます。
そのため、炎症が起きるとすぐに歯槽骨の吸収が始まります。
■インプラント周囲炎にならないために
◎歯磨きをきちんと行う
インプラント周囲炎の予防法は歯周病の予防方法と一緒です。
毎日きちんと歯磨きをしましょう。
またインプラント入れていると細いつなぎ目の部分などにどうしてもプラークや食物残渣がたまりがちになります。
セルフケアだけではなかなか落とすことが難しいため、定期検診の際に歯科医院で落としてもらう必要があります。
◎腫れなどが起こったらすぐ歯科医院へ
インプラント周囲炎は蒼穹に炎症が普及するため、とにかく早く処置する必要があります。いつもと違う痛みや出血、腫れなどが起こった場合は、放置することなくすぐに歯科医院を受診しましょう。
◎しっかり磨けない方は手術できないことも
このインプラント周囲炎は大幅にインプラントの寿命を縮めてしまうことがあります。
そのため、インプラント埋入前に口腔清掃がきちんとできないと判断された患者様は、インプラントが埋入手術を受けられないことがあります。
また、歯周病が治癒していない方も埋入手術が受けられません。
◎保証がつかないことも
インプラントの寿命は10年といわれています。
そのため大体の歯科医院は、この10年間に何らかの保証をつけています。
しかし、定期検診にきちんと通わないとこの10年の保証が働かない仕組みになっている歯科医院もあります。
それほどまでにインプラント埋入後の清掃やメンテナンスは重要なのです。
【プロフェッショナルケア、セルフケアが大切】
インプラント周囲炎を起こさないためには、プロフェッショナルケアとセルフケアをバランスよく行うことが大切です。
3ヶ月に一度は歯科検診定期検診に行き、歯科医師のチェックを受け、ご自宅では落としきれない汚れを落としましょう。
また歯科医院でのプロフェッショナルケアは、毎日の丁寧なセルフケアの上で効果を発揮します。
毎日丁寧な歯磨きをし、必要とあれば清掃補助用具を使用しましょう。
毎日そのように丁寧に手入れを行うことで、寿命の10年以上持つインプラントもあります。
中には40年以上口腔内で持ったインプラントもあるといわれています。
インプラントを長く気持ちよくお口の中で使えるように、日々のケアを大切にしましょう。