インプラントの治療費は高いと思っていませんか?
埋入手術、上部構造の構築などで一度に支払う金額が多いと、高いと思ってしまいがちです。
しかし、インプラントを生涯の医療費として考えると、決して高くないことが分かります。
他の補綴物と比較しながら、インプラントの金額と生涯でのコストパフォーマンスについて解説します。
■インプラントの寿命とは
◎10年といわれているけれど……?
インプラントの寿命は、10年といわれています。
しかし、この10年とは「90%以上の方が10年後もインプラントを使い続けている」という意味で、10年といわれています。
そのため、その90%の中には15年、20年と使い続けられる方も多くいらっしゃるということになります。
インプラントの寿命とは、インプラント体という歯根に当たる部分が脱落してしまった時を指します。
アバットメントや上部構造の破損やトラブルがあっても修理が可能で、寿命には当たりません。
そのため、このインプラント体の脱落を防げば、インプラントの寿命を伸ばすことができます。
◎大切なのはお手入れ
インプラント体の脱落を引き起こす代表的な疾患にはインプラント周囲炎があります。
インプラント周囲炎は、名前の通りインプラントの周囲に歯周病のような炎症が起こる疾患です。
しかし、天然歯の場合は歯根と歯槽骨の間に歯根膜という膜があり、これが炎症の波及速度を和らげています。
しかし、インプラントは直接骨と結合しているため、この歯根膜がありません。
そのため、炎症が早急に波及してしまい、インプラントの脱落に繋がるのです。
インプラント周囲炎は、歯周病と同じように、プラーク中の細菌が炎症を広げることによって起こります。
インプラント周囲炎を起こさないためには、毎日の丁寧な清掃がとても重要です。
■他の補綴物との比較
◎部分入れ歯
部分入れ歯の価格は、自費診療のもので30万~60万程度、保険診療のものなら1万円程度です。
入れ歯の寿命は、保険診療で作製するプラスチックの入れ歯ならば3年~5年、自費診療の金属製の入れ歯なら5年以上となっています。
寿命になってもそのまま使い続ける方もいらっしゃいますが、特に保険診療の入れ歯は樹脂でできている部分が多く吸水性があり、劣化しやすいという特徴があります。
衛生面であまりよくないため、寿命が来たら作り変えを検討した方が良いでしょう。
また、部分入れ歯はクラスプという掛け金を左右の歯にかけて使用するため、年数が長くなると左右の歯の負担が増すのもデメリットです。
◎ブリッジ
自費のブリッジは1本あたり10万円程度となっている歯科医院が多いです。
しかし、ブリッジは左右の歯にも被せ物をするため、どうしても3本分の料金がかかります。
そのため、ブリッジを入れると基本的には30万円程度の値段がかかります。
保険のブリッジは1本5千円程度ですが、耐久性や審美面でどうしても劣ります。
寿命は7年~8年となっています。
また、ブリッジは被せた隙間からむし歯になるなどのリスクがあります。
被せ物として、外れてしまうリスクがあるだけでなく、内部で気が付いたらむし歯が進行しているということがあるため注意が必要です。
作り替えとなると、再び歯質を削る必要が出てくる場合もあり、これはデメリットといえるでしょう。
◎インプラント
当院でインプラントを1本埋入すると、38万5千円(税込)程度の金額がかかります。
左右の歯のダメージや寿命などを考えると、他の補綴処置と比べて決して高くないことが分かります。
また、骨の量が足りない場合は骨を増やす治療(11万円)、サイナスリフト(22万円)などを行うこともあります。
【インプラントはコストパフォーマンスが良いといえる】
インプラントは寿命の長い補綴処置で、かつ審美面や機能面、左右の歯の保存性などもとても優れています。
生涯の補綴処置をご検討されている方には、ぜひインプラントをおすすめします。