インプラント治療は、失った歯を補うための優れた治療法として広く知られています。
「インプラント治療に年齢制限があるの?」と疑問に思っている方はいらっしゃるでしょう。
インプラント治療を行う際には、いくつかの条件をクリアしていれば年齢制限はありません。
インプラント治療の年齢に関する考え方と、顎骨の状態に応じた増骨処置について詳しく解説します。
目次
■年齢制限がない理由
◎大切なのは顎の骨の状態
インプラント治療に年齢制限がない理由は、治療の成功が主に顎骨の状態に関係しているためです。
インプラントは顎骨に埋入するため、十分な骨量や骨密度があることが大きなポイントとなります。
成長期の若年者の場合、顎骨が完全に成長を終えるのを待つ必要がありますが、大人であればその心配はありません。
つまり、成人以降で顎骨が健全な状態であれば、年齢に関係なくインプラント治療が可能です。
◎全身の健康状態に注意が必要
インプラント治療を受ける際には、年齢よりも全身の健康状態が重要です。
しかし、何かの疾患があっても問題のないケースも多いです。
例えば、糖尿病や心疾患、高血圧などの持病があっても、管理がしっかりされていればインプラント治療を受けることができます。
■中年期~高年期にインプラント治療を行うメリット
◎生活の質の向上
中年期から高年期にかけて、インプラント治療は非常に有効です。
食事がスムーズになり、生活の質が大きく向上します。
インプラントは義歯とは異なり、固定されているため咀嚼力が向上し、食べ物をしっかり噛むことができます。
これにより、胃腸への負担が減り、栄養の摂取がしやすくなり、全身の健康も向上します。
また、いくつになっても食事を楽しむことができます。
◎骨の健康維持
インプラントは顎骨に直接固定されるため、骨の増生を促進する効果があります。
一方で、義歯やブリッジは顎骨に刺激を与えないため、このような効果はありません。
歯を喪失した部分の骨が健康であることは、残存している周囲の歯にも良い影響があります。
◎審美性の向上
インプラント治療は自然な見た目を実現できます。
天然歯に近い見た目を得られるため、入れ歯の見た目で悩んでいるような方にはおすすめの治療法です。
■顎骨が吸収している場合は?
◎増骨処置を行う
インプラント治療において最も重要なのは顎骨の状態です。
骨の量や質が不十分な場合でも、増骨処置によりインプラントが可能となります。
増骨処置にはいくつかの方法があります。
代表的なものには、サイナスリフトやGBR法があります。
サイナスリフトは上顎の骨が不足している場合に行われ、鼻の下あたりから人工骨を注入し、インプラントを埋め込むスペースを作る手法です。
一方、GBR法は骨芽細胞の増殖を促す治療法で、特殊な膜を使い、骨の再生を促進する方法です。
◎治療のタイミング
増骨処置は通常、インプラント治療の前に行われることが多いですが、場合によっては同時に行うこともあります。
適切なタイミングを選ぶことで治療期間を短縮し、患者さまの負担を軽減することができます。
【インプラント治療に年齢制限はない】
インプラント治療には年齢制限がなく、主に顎骨の状態と全身の健康状態が治療の成功に影響します。
中年期から高年期の方々の生活の質を向上させるためにとても有効であり、骨の状態が不十分な場合でも増骨処置を行うことでインプラント治療が可能となります。
インプラント治療を検討している場合は、自分の顎骨の状態や全身の健康状態をしっかりと評価してもらうことが重要です。
適切な増骨処置や治療計画を立てることで、インプラントを長期間にわたって使い続けることができます。
年齢に関係なく、健康で快適な生活を実現するために、積極的にインプラント治療を検討してみてはいかがでしょうか。