歯が抜けた、失われたままの状態をそのままにしていませんか？

歯を失った直後には特に問題が感じられない場合でも、放置することで口腔内や全身にさまざまなリスクが生じる可能性があります。

この記事では、歯が抜けたまま放置することによるリスクを詳しく解説し、治療方法についてもご紹介します。

■歯が抜けたまま放置するリスク

◎隣の歯が移動する

歯が抜けた状態を放置すると、隣接する歯が、抜けた部分に向かって移動してしまうことがあります。

これにより、歯並びや噛み合わせが乱れる可能性があります。

◎歯の噛み合わせが変わる

歯並びが崩れることで噛み合わせが悪くなる可能性がありますが、直接的な動きで噛み合わせが崩れてしまうリスクもあります。

歯は上下で噛み合うことでその位置を保っていますが、対になる歯がない状態が続くと、残った歯が伸びてしまうことがあります。

これも噛み合わせが乱れる原因となります。

◎顎の骨が痩せる

歯が抜けた部分の顎の骨は、歯がないことで刺激を受けなくなり、次第に痩せていきます。

この歯を支える骨の吸収が進むと、顔の輪郭が変わり、顔がこけたような印象を与えることがあります。

また、骨が痩せることでインプラント治療が難しくなったり、骨造成が必要となり追加の費用がかかることもあるため、早めの対処が大切です。

◎食事や発音に支障が出る

歯が抜けた部分があると、食べ物を噛む力が弱まり、消化に負担をかけることがあります。また、前歯が抜けた場合は、見た目だけでなく発音に影響が出ることも考えられます。

◎むし歯や歯周病のリスクが高まる

歯が抜けた部分の周囲は、清掃が行き届かなくなることがあり、歯垢（プラーク）や食べかすが溜まりやすい環境になります。

これがむし歯や歯周病の原因となり、さらなる歯の喪失につながる可能性があります。

■歯が抜けた際の治療法

◎補綴治療とは？

補綴治療とは、失われた歯を補うための治療全般を指す言葉です。

補綴治療には、インプラント、ブリッジ、入れ歯などの方法があり、それぞれ特徴や適応が異なります。

どの治療法が適切かは、歯の欠損の状態や患者さまの希望、口腔内の環境によって異なるため、歯科医師と相談しながら選択することが大切です。

◎インプラント

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。

見た目も自然で、しっかりと噛むことができるため、人気のある選択肢の一つです。

また、隣の歯に負担をかけることがない点、寿命が比較的長く結果的にコストパフォーマンスが良い点も大きなメリットです。

ただし、顎の骨の状態によっては、事前に骨造成が必要となる場合があります。

◎ブリッジ

ブリッジは、失われた歯の両隣の歯を削り、その上に人工の歯を橋渡しのように固定する方法です。

比較的短期間で治療が完了し、見た目も自然に仕上がりますが、支えとなる健康な歯に負担がかかるため、その歯の寿命が短くなるリスクがあります。

◎入れ歯

部分入れ歯や総入れ歯は、歯が複数本失われている場合や、インプラントやブリッジが適応できない場合に用いられます。

取り外しが可能で、コストが比較的低い点がメリットです。

ただし、装着感や噛む力がやや劣る場合があります。

【歯を失った場合はすぐに治療を】

歯が抜けたまま放置すると、隣接する歯や噛み合わせに影響があるだけでなく、顎の骨が痩せたり、むし歯や歯周病のリスクが高まったりする可能性があります。

歯を失った場合は、早めに歯科医師に相談し、治療を受けることが大切です。

インプラント、ブリッジ、入れ歯といった治療法にはそれぞれ特徴や適応があるので、歯科医師と相談し、一番良い方法を選べると良いでしょう。