インプラントは自由診療であることから費用が高額になりやすく、治療後に万が一の不具合が起きたときのことを不安に感じる方も少なくありません。
そんな不安を軽くするものがインプラントの保証制度です。
インプラント治療にはさまざまな保証内容が設定されており、医院によって異なるため、事前にしっかりと内容を確認しておくことが大切です。
この記事では、インプラントの保証とは何か、また引っ越し時や保証書を紛失した場合の対応について詳しく解説します。
目次
■インプラントの保証とは?
◎高額治療を支える安心の仕組み
インプラント治療は、人工歯根を顎の骨に埋入し、その上に人工の歯を取りつける外科的な治療です。
治療が完了するまで数ヶ月かかることもあり、トータルで数十万円以上かかるケースも少なくありません。
そのため、万が一治療後に不具合が生じた場合に備え、一定期間内であれば無償または一部負担で再治療を受けられるように設けられているのが保証制度です。
医院によって保証の有無や内容は異なりますが、保証制度が整っているかどうかを確認しておくことは非常に重要です。
■保証が適用される条件
◎定期的なメンテナンスを受けていることが前提
保証が適用されるためには、基本的に患者様が指定された定期検診に通っていることが条件となることが多いです。
これは、インプラントを長持ちさせるためにはメンテナンスが不可欠であるという考えに基づいています。
メンテナンスの内容には、歯科医師によるインプラント周囲のチェックや、歯周病の予防処置、噛み合わせの調整などが含まれます。
これらを怠っていた場合には、患者様側の管理不足とされ、保証が適用されない可能性もあります。
■保証が適用されないケース
◎自己都合による破損や放置
明らかな外傷や事故、無理な力が加わったことによる破損、そして不具合が出たのに長期間放置して悪化させた場合などは、保証の対象外となることがあります。
また、保証期間内であっても他院で手を加えられてしまった場合も、保証が受けられなくなるケースがあるため、必ず最初に治療を受けた医院に相談することが大切です。
■平均的な保証期間はどれくらい?
◎5年〜10年の保証が一般的
インプラントの保証期間は、医院によって異なりますが、一般的には5年〜10年程度に設定されていることが多いです。インプラント体(フィクスチャー)は10年保証、上部構造は5年保証というように、パーツごとに保証年数が異なることもあります。
長期的に安心して治療を受けるためには、保証内容の詳細を確認し、自分が何年間の保証を受けられるのかを把握しておきましょう。
■引っ越し時の対応はどうする?
◎転居先での通院をどうするかも事前に相談を
保証期間内に引っ越しをする場合、元の医院での継続的なメンテナンスが難しくなってしまうことがあります。
そのような時は、保証の継続条件を引き継げるかどうかを、事前に確認しておきましょう。
一部の医院では、連携している歯科医院を紹介してくれるケースもあります。
また、転院先で同様の検診・メンテナンスを受けることで保証の継続が可能になる場合もあるため、引っ越しが決まった時点で速やかに相談することが大切です。
■保証書をなくしてしまった場合
◎医院の記録で対応できることもある
保証書は大切に保管しておくべきものですが、紛失してしまった場合でも、医院側に治療の記録が残っていれば、保証期間や内容を確認できることがあります。
ただし、保証内容を明確に証明するためにも、受け取った書類はなくさずに保管し、万が一に備えてコピーや写真などでバックアップを取っておくのもおすすめです。
【保証制度も治療選びの重要なポイント】
インプラント治療は高額であり、体に負担のかかる治療でもあります。
だからこそ、治療後に万が一のトラブルが起きたときに備えて、保証制度の有無と内容をしっかり確認しておくことが重要です。
保証制度は「いざという時にどうなるか」を左右する要素であり、治療の成功だけでなく、長期的な満足や安心にも大きく影響します。
不安な点や疑問があれば遠慮せず相談し、信頼できる歯科医院で納得のいく治療を受けましょう。