All-on-4とは、インプラントを4本埋入し、その上に前歯から奥歯まで一体になっている人工歯を立てる治療のことです。
インプラントの本数を抑えながら、歯列全体の噛み合わせを回復することが可能です。
比較的新しい治療ですが、身体への負担や金銭的な負担を減らせる画期的な治療法です。
All-on-4の仕組みとメリットについて解説します。
目次
■All-on-4とは
◎インプラントを4本埋入する
All-on-4とは、顎の骨にインプラントを顎の骨に4本埋入し、その上に12本の人工歯を立て、噛み合わせを回複する治療法です。
インプラントは本来、1本の喪失歯に対し、1本埋入する必要があります。
しかし、All-on-4なら4本のインプラントを埋入するだけで、上下顎どちらかの人工歯を全て支えることができます。
◎固定式の装置
All-on-4は入れ歯と違って固定式の装置となります。
インプラントを固定源とするため、歯槽提や口蓋に吸着させて使う総入れ歯よりも、天然歯に近い感覚で噛むことができます。
■All-on-4のメリット
◎身体への負担が少ない
インプラントは基本的に、1歯の喪失歯につき1本埋入する必要があります。
しかし、All-on-4なら4本で済むため、インプラントを立てるための穴をあける数が減らせます。
穴を開ける数が少ないことで、手術による身体への負担が大きく減らせます。
◎費用の負担が少ない
インプラントの埋入本数をおさえられることで、金銭的な負担も軽減できます。
その方の口腔内の状態や治療法により費用が変わる可能性はありますが、平均して費用がかかりにくくなる可能性が高いです。
◎骨充填の必要がなくなるケースも
All-on-4は骨が薄い方でも、骨の厚みがある場所を選んでインプラント埋入ができます。
そのため、骨の薄い部分のある方でも骨充填を行わなくて良い可能性が高くなります。
骨充填の手術が必要なくなると、身体的な負担、金銭的な負担が軽減できます。
◎入れ歯より使用感が良い
総入れ歯は歯槽提や口蓋などの比較的柔らかい組織を固定源として使うため、力をかけにくいというデメリットがあります。
All-on-4は固定源を歯槽骨に求めるため、入れ歯のような不安定感はありません。
また、固定式の装置のため、外れる心配もなく、発音、構音もより明瞭にできるというメリットがあります。
■All-on-4のデメリット
◎残っている歯を使用できない
All-on-4は4本のインプラントで上下顎どちらかの歯を全て支える治療法です。
もともと総義歯を使用されている方には良い治療法ですが、歯が残っている場合は抜歯しなくてはならないため、歯を残したい方にはそれがデメリットとなるケースがあります。
歯が残っている方はAll-on-4治療を受けるかどうかよく検討する必要があります。
◎きめ細かいメンテナンスが必要
All-on-4は固定式の装置のため、入れ歯のように外して洗うことができません。
そのため比較的汚れやすく、丁寧なお手入れが必要となります。
支えとなっているインプラントは、天然歯よりインプラント周囲炎などの感染性の疾患にかかりやすい状態です。
また、歯ぎしりなどの力のかかる悪癖がある方もインプラント周囲炎にかかりやすいため注意が必要です。
【All-on-4のメリット、デメリットを理解して】
All-on-4は4本のインプラントで、上下顎どちらかの全ての歯の噛み合わせを回復できる画期的な治療法です。
固定式の総義歯のような位置づけのため、残った歯を使えない点、お手入れをきめ細かくする必要がある点にはそれぞれ注意が必要ですが、身体的、金銭的負担を減らせるメリットの多い治療法です。
メリット、デメリットをよく理解し、より患者さまのライフスタイルに合わせた選択ができるとよいでしょう。
当院ではAll-on-4治療を行っています。
ご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。