インプラントは、人工歯根という歯の根っこに当たる部分を歯槽骨に埋入し安定させることで、天然歯と同じ程度の噛み心地を実現します。
では、インプラントが顎の骨と結合する時には、具体的にどのようなことが起こっているのでしょうか。
インプラントが顎の骨と結合するメカニズムと、結合するまでの期間について解説します。
目次
■骨と結合する部分、インプラント体とは
◎ネジのような構造になっている
歯槽骨の中に埋め込むインプラント体部分は、ネジのような形をしています。
ネジといわれると木製のものに金属のネジを固定するようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
そのため外れてしまわないか心配される方もいらっしゃいます。
しかしインプラントと歯槽骨は組織レベルで結合しているため、結合が起こると基本的に簡単に外れるようなことはありません。
◎チタン製である
インプラント体に使われている金属はチタンです。
チタンは、人工関節などにも使われる大変人体親和性の高い金属です。
骨と結合が可能で、腐食なども起こりにくく加工しやすいため、医療分野で広く使われています。
チタンは金属のため100%金属アレルギーが起こらないということではありませんが、大変そのリスクが低いのがメリットです。
■どうやって結合しているの?
◎オッセオインテグレーションとは
チタンのネジが骨と組織レベルで結合している状態を「オッセオインテグレーション」と呼びます。
光学顕微鏡レベルで見ても、人体の組織とネジ部分が一体化している状態です。
ここまで骨にしっかり結合しているからこそ、インプラントは天然歯のような使い心地を再現できます。
■インプラントと骨が結合するまでの期間
◎約1~2ヶ月
インプラントは埋入手術後すぐに結合するわけではありません。
しっかりとした結合に至るまでには、約1~2ヶ月ほどの時間がかかります。
しかしインプラントが一般に広がり始めた時と比べて、骨に結合するまでの期間はぐっと短くなっています。
■オッセオインテグレーションが起こりにくくなる時
◎骨の問題
オッセオインテグレーションは、歯槽骨が健全な状態であり、手術が問題なく進めば、基本的に誰にでも起こります。
しかし時には、オッセオインテグレーションが起こらず、インプラントが安定しないことがあります。
その理由の1つとして骨の問題があります。
骨粗しょう症などで骨の新陳代謝がうまくいっていなかったり、密度が少なかったりするケースでは結合がうまく起こらず、インプラントの脱落につながることがあります。
◎手術中のダメージ
インプラント手術中に骨に穴を開ける時の熱で、組織が火傷を起こしてしまうことがあります。
これをオーバーヒートといいますが、オーバーヒートを起こした結果、骨がうまく結合しないケースもあります。
◎細菌感染
手術中に細菌感染を起こしたり、歯周病などの理由で骨の治癒や結合が遅くなったりすると、結果的にインプラントが脱落してしまう可能性があります。
◎喫煙
喫煙されている方はオッセオインテグレーションが起こりにくくなるといわれています。タバコに含まれるニコチンが、血管を収縮させ、末端まで栄養が行き渡らなくなると、骨の新陳代謝が悪くなります。
喫煙者の口腔内ではこのような状態になりがちなため、インプラント手術を行う際はしばらくの期間であっても禁煙をおすすめします。
【インプラントは組織レベルで骨と結合している】
インプラントは組織レベルで骨と結合しています。
この状態をオッセオインテグレーションと呼びます。
オッセオインテグレーションが起こることでインプラントは口腔内で安定します。
当院ではインプラントと骨がしっかりと結合するよう力を尽くしています。
インプラント治療をご検討中の方はぜひ1度ご相談ください。