
インプラント治療は、メリットの多い補綴治療ですが、全ての方がすぐに治療を受けられるわけではありません。
歯科医師から「インプラントは難しいかもしれません」といわれた経験のある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、インプラント治療ができない、あるいは難しいと判断される代表的なケースを紹介しつつ、その理由や対処法、治療を受けるためにできる工夫について解説します。
目次
■インプラントが難しいとされる主なケース
◎糖尿病や高血圧などの全身疾患がある場合
糖尿病がコントロールされていない状態では、体の免疫力や血流が低下しており、インプラント手術後の傷の治癒が遅れたり、感染リスクが高まったりすることがあります。
埋め入れたインプラントは顎の骨としっかり結合する必要があるため、全身の健康状態が治療結果に大きく影響します。
また、高血圧の方も注意が必要です。
血圧が高いまま手術を行うと、出血リスクや血管系の合併症につながる可能性があります。
これらの持病がある場合は、主治医と連携しながら、数値の安定を図ることが前提になります。
◎喫煙習慣がある
喫煙は、血管を収縮させて血流を悪くし、傷の治りを遅らせることで知られています。
インプラント治療においては、骨とインプラントがしっかり結合する必要がありますが、喫煙によりこの結合が妨げられ、インプラントが脱落してしまうリスクが高まります。
そのため、多くの歯科医院では治療前後は禁煙することを強くおすすめしています。
喫煙を続ける場合は、治療自体を断られることもあります。
◎顎の骨が足りない
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む治療であるため、ある程度の骨の高さと厚みが必要です。
しかし、長期間歯を失ったまま放置していると、噛んだ時の刺激が骨に伝わらず、骨が痩せていってしまうのです。そのため、インプラントを安定して埋入することが難しくなります。
◎歯周病がある
歯周病が進行していると、インプラントの土台となる骨が不安定になります。
また、口腔内に感染がある状態で手術を行うと、インプラント周囲炎を引き起こすリスクも高くなります。
歯周病がある場合は、インプラントを受けられないわけではなく、まずは歯周病の治療が必要です。
◎未成年である
インプラントは一度埋め込むと基本的に位置が変わらず固定されるため、顎の成長が完了していない未成年には原則行えません。基本的には18歳以下は適応範囲外となります。
■インプラントが難しい=絶対にできない、ではない
◎骨造成で顎の骨を補うことができる場合も
「骨が足りないからインプラントはできません」といわれた場合でも、骨造成という処置によってインプラントが可能になるケースがあります。
骨造成とは、人工骨や自己骨を用いて顎の骨を増やす処置で、必要に応じて数ヶ月の治癒期間を経て骨の量を増やしてから、インプラント手術に進む方法です。
◎全身疾患や生活習慣の改善によって適応できることも
糖尿病や高血圧があっても、きちんとコントロールされた状態であればインプラント治療が可能になることがあります。
禁煙を含めた生活習慣の改善や、歯周病の治療をあらかじめ行うことが、治療への第一歩です。
■インプラントを目指すために今できること
◎まずは精密検査とカウンセリングを受ける
インプラントができるかどうかは、レントゲンやCT撮影による診断、全身の問診を踏まえて総合的に判断されます。
見た目だけでは分からない骨の状態を確認する必要があるため、まずはインプラント治療に対応している歯科医院で相談することが大切です。
◎今ある歯をしっかり守る
インプラントが難しい場合でも、自分の歯を残せていれば他の選択肢が広がります。
今ある歯のケアを怠らず、定期的な検診とクリーニングを受けることで、歯を守る意識を高めましょう。
【状態によっては、改善すればインプラント治療が可能なケースも】
インプラント治療は、全ての方にすぐ適応できるとは限りません。
全身疾患や喫煙、骨の状態など、さまざまな条件をクリアする必要があり、良くないとされている状態でも、改善によって治療が可能になるケースもあります。
まずは診断と適切な対策を通じて、治療の可能性を広げていきましょう。
顎の骨が少なくてインプラントができないといわれた方は、以下の記事も参考にしてみてください。
