
歯は普段、食べる、噛むといった機能を担うだけでなく、発音や顔の輪郭を支える役割も果たしています。
その中でも歯根と呼ばれる歯の根っこの部分は、歯を顎の骨にしっかり固定する土台のような存在です。
しかし、この歯根が割れてしまう歯根破折は、歯を失う大きな原因の一つとなります。
特に歯ぎしりの習慣がある人や、根管治療を受けた後の歯は注意が必要です。
ここでは、歯根が割れてしまう原因やその重要性、そして予防のポイントについて詳しく解説します。
目次
■歯根破折とは何か?
◎歯根破折とは
歯根破折とは、歯の根の部分がヒビ割れたり、真っ二つに割れてしまったりする状態を指します。
歯の表面にできるヒビとは異なり、歯根部分の破折はレントゲンやCTでなければ見つけにくいことが多いです。
また、歯根が割れてしまうと細菌が侵入しやすくなり、膿が溜まったり歯肉が腫れたりする原因になります。
◎歯根が重要な理由
歯根は、見えない部分で歯を顎の骨に固定し、ぐらつかないようにしてくれる大事な土台です。
これが破損してしまうと、土台そのものが崩れてしまい、最終的には抜歯を余儀なくされるケースが少なくありません。
歯冠は被せ物などで修復できますが、歯根が割れると治療の選択肢は限られてくるのです。
■歯ぎしりによる歯根破折のリスク
◎歯ぎしりが歯にかける負担
歯ぎしりは睡眠中など無意識に起こるため、自覚していない方も多い習慣です。
強い力で上下の歯をこすり合わせたり食いしばったりすることで、歯には日常生活以上の強い圧力が加わります。
その力は自分の体重以上ともいわれ、長期的に続くと歯や歯根に大きなダメージとなります。
◎歯ぎしりが歯根を割る仕組み
通常、歯はクッションの役割を果たす歯根膜(しこんまく)や歯質によって衝撃を吸収しています。
しかし、歯ぎしりによって常に過度な力が加わると、衝撃が吸収しきれなくなり、亀裂が入ったり、最悪の場合は歯根が破折してしまったりします。
特に奥歯は噛む力を最も受けやすいため、歯ぎしりによる歯根破折のリスクが高い部位です。
■根管治療後の歯が割れやすい理由
◎根管治療とは
根管治療とは、むし歯が歯の神経にまで達した際に行われる治療で、感染した神経や血管を取り除き、根の内部を消毒して薬剤を詰める処置です。歯を残すためには非常に大切な治療ですが、処置を受けた歯には特徴的な弱点が生じます。
◎神経を取った歯がもろくなる理由
根管治療後の歯は、神経や血流がなくなるため、栄養供給が絶たれて乾燥した木材のようにもろくなってしまいます。
また、むし歯の進行によって大きく削られていることも多く、歯質そのものが薄くなっているのです。
このため、治療後の歯は健康な歯と比べて破折リスクが高く、特に歯根破折の危険性があります。
■歯根破折を予防するために
◎歯ぎしり対策
歯ぎしりの習慣がある場合、就寝時にマウスピースを装着するのが有効です。
これにより歯や歯根にかかる力を分散させ、破折やすり減りを防げます。また、日中の食いしばりを意識的に避けることも大切です。
◎根管治療後の補強
根管治療を受けた歯には、クラウン(被せ物)を装着して補強します。
被せ物をすることで、歯に加わる力を分散させ、歯根破折のリスクを下げられるのです。
◎定期検診で早期発見
歯根破折は初期段階では自覚症状が乏しいため、定期検診でのチェックが欠かせません。
歯科医院でレントゲンやCTを用いた診断を受けることで、早期にトラブルを見つけることができます。
【歯根破折は歯の抜歯につながる症状】
歯ぎしりや根管治療後の歯は、歯根破折のリスクが高くなります。
歯根が割れてしまうと、抜歯やインプラント治療など大掛かりな処置が必要となり、生活の質にも大きく影響します。
そのため、歯根の重要性を理解し、日頃から予防意識を持つことが大切です。
歯ぎしりが気になる方や、根管治療を受けた経験がある方は、ぜひ歯科医院での定期検診や予防的な対策を意識してみてください。
もし歯根破折が起こってしまった場合でも、当院ではインプラント治療に対応していますので、ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
