糖尿病でも歯科治療は可能?治療できる血糖値の目安と注意点|松山市の歯医者|カネコデンタルオフィス【公式】

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糖尿病でも歯科治療は可能?治療できる血糖値の目安と注意点

糖尿病でも歯科治療は可能?治療できる血糖値の目安と注意点

血糖値が気になって歯科受診をためらっている方へ


歯ぐきの腫れや出血が続いているのに、「血糖コントロールが整わないと処置は難しい」と言われて足踏みしている方も多いのではないでしょうか。実際には、数値の状態に応じて進められる処置もあります。大切なのは、現在の血糖値やHbA1cを歯科医師と共有し、内科主治医と連携しながら段階的に計画を立てること。この記事では、目安となる数値と受診前の準備を整理します。


この記事の要点まとめ


  • 血糖値やHbA1cの状態に応じ、処置内容を段階的に検討できる場合があります
  • 感染や治癒への配慮、低血糖対策など受診時の注意点を紹介します
  • お薬手帳の持参や内科との連携が、通院計画を立てる際の参考になります

歯科治療を受けられる血糖値・HbA1cの目安と処置の判断基準

歯科治療を受けられる血糖値・HbA1cの目安と処置の判断基準

糖尿病があるからといって、歯科治療そのものを受けられないわけではありません。処置の内容と血糖コントロールの状態を照らし合わせながら判断していきます1


一般的な歯科処置と外科処置における数値の基準


むし歯の処置や定期的なクリーニング、歯石除去のように出血の少ない処置であれば、血糖コントロールが大きく乱れていない限り、実施を検討できるケースは少なくありません。一方、抜歯やインプラント埋入といった観血的処置となると、判断はより慎重になります。


よく語られる目安が、空腹時血糖値がおおむね140〜180mg/dL未満、HbA1cが7%前後(多くの資料で6.9〜8.0%未満が一つの線引き) という水準。また、空腹時血糖126mg/dL以上、HbA1c6.5%以上は「糖尿病型」と判断される検査値として知られています1。ただし、これらは可否を機械的に分けるものではありません。年齢や合併症の有無、処置の侵襲度、感染巣の状態まで含めて総合的に検討します。数値が高めであっても、強い腫れや痛みがある場合は、内科と相談のうえ対応を優先することもあります。


血糖コントロール状態に応じた段階的な治療計画


数値が目安を上回っているときは、まず炎症を抑える消炎処置やスケーリング、洗浄、必要に応じた投薬など、体への負担が少ない処置から着手します。並行して内科でコントロールの改善を図り、数値が落ち着いた段階で外科的な処置へ——この二段構えが現実的でしょう。


口腔内の感染が強いと血糖値も上がりやすいとされるため、炎症を先に鎮めることが結果として全身の管理を支える可能性が指摘されています2「今できること」と「数値が整ってから行うこと」を分けて計画することが、無理のない通院につながります。松山市で通院先を探すときも、この段階分けを丁寧に説明してくれるかどうかは、一つの見極めポイントになるかもしれません。


糖尿病の方が歯科治療を受ける際に注意すべきリスクと対策

糖尿病の方が歯科治療を受ける際に注意すべきリスクと対策

実務上の焦点は、糖尿病そのものよりも、治療中・治療後に起こりうる体の反応にどう備えるかという点にあります。


易感染性と創傷治癒の遅れへの配慮


血糖値が高い状態が続くと白血球の働きが低下し、細菌への抵抗力が下がりやすくなります。血流や組織の修復力にも影響が及ぶため、抜歯後の傷口が塞がるまでに時間を要することもあります1


だからこそ、術前後の抗菌薬服用の指示を守ること、口腔外バキュームや高圧蒸気滅菌器を用いた清潔な環境で処置を行うこと、術後の含嗽や清掃を丁寧に続けることが鍵になります。処方された抗菌薬は自己判断で中断せず、指示された日数まで飲み切ること。これが感染予防の基本と考えられています。


低血糖発作を防ぐ受診時間と食事の工夫


治療中に起こりやすい体調変化としてよく挙げられるのが、低血糖発作です。空腹のまま長時間の処置を受けると、冷や汗や動悸、手の震えなどが現れることがあります。


対策はシンプルです。朝食や昼食をきちんと摂ってから、午前中など体調を把握しやすい時間帯に予約を入れること。ブドウ糖タブレットや飴、果汁ジュースなど糖分を携帯しておくと、さらに備えになります。治療中に少しでも異変を感じたら、我慢せず手を挙げてお知らせください。


局所麻酔薬の影響と自己判断による服薬調整の回避


歯科で使う局所麻酔薬には、効果を持続させる目的でアドレナリンが含まれるものがあります。アドレナリンは血糖値を上げる方向に働くとされるため、使用量に配慮したり、含有量の少ない製剤を選んだりといった調整を行います。高血圧を併発している方であれば、血圧変動への配慮や、一部の降圧薬による歯ぐきの腫れ(歯肉肥厚)の確認も必要になります。


また、「治療当日は食事を控えるからインスリンも減らしておこう」といった自己判断は避けてください。休薬や減量は、低血糖にも高血糖にもつながりかねません。服薬の調整が必要かどうかは、必ず内科主治医にご確認を


受診前に知っておきたい準備事項と医科歯科連携の重要性


持病がある方の歯科受診は、情報共有がどれだけ具体的かで進めやすさが変わってきます。


お薬手帳の持参と内科主治医への事前相談


初診時には、お薬手帳と、直近の血液検査結果(HbA1c・血糖値がわかるもの)をご持参ください。糖尿病の型(1型か2型か)、罹病期間、インスリン使用の有無、血糖降下薬の種類、腎機能や心血管系の合併症の有無まで伝わると、処置計画を立てやすくなります。抗血栓薬やビスホスホネート製剤を併用している場合も、必ず共有をお願いします。


抜歯などの外科処置が見込まれるときは、歯科から内科主治医へ診療情報提供書(対診状)を送り、処置の可否や周術期の注意点について回答をいただく流れが一般的です。手間に感じるかもしれませんが、この一往復が体調への配慮につながります2


バイタルセンサーなど全身管理設備を活用した診療体制


処置中に血圧・脈拍・血中酸素飽和度を継続して確認できる体制があれば、体調の変化にも早く気づきやすくなります。当院ではバイタルセンサーやAED、電動麻酔器、緊張の強い方に向けた笑気ガスを備え、全身状態に配慮しながら診療にあたっています。


また、当院では治療前や治療中のカウンセリングを大切にしており、「どのような治療が必要なのか」「お口の中は今どういう状態なのか」を丁寧にご説明しています。松山市駅から徒歩6分、提携駐車場もありますので、通院の負担についてもお気軽にご相談ください。


歯周病治療が糖尿病の血糖コントロールにもたらす好影響


歯周病は糖尿病の合併症の一つとして位置づけられており、両者は双方向の関係にあるとされています4


相互に悪化を招く糖尿病と歯周病のメカニズム


歯周ポケット内の細菌が炎症を起こすと、TNF-αなどの炎症性物質が産生されます。これらが血流に乗ると、インスリンの働きを妨げる方向に作用すると考えられています4。反対に高血糖が続けば、唾液の分泌が減って口腔内が乾きやすくなり、細菌が増えやすい環境が生まれます。歯周病と糖尿病は、互いに影響し合う関係にある——ここが出発点です。


歯ぐきの炎症改善による全身状態の安定化


だからこそ、歯周基本治療やプラークコントロールで歯ぐきの炎症を抑える取り組みは、口腔内だけの話にとどまりません。歯周治療とHbA1cの推移との関連は複数の研究で報告されており2、口腔ケアを全身の管理の一部として位置づける考え方が広がっています。


毎日の歯みがきに加えて、こまめな水分補給によるドライマウス対策、そして定期的なメインテナンス通院。歯科での取り組みが内科での治療を後押しし得ると考えれば、受診への一歩も踏み出しやすくなるのではないでしょうか1


よくある質問


Q1. 糖尿病の方の歯科治療で、特に注意すべき点は何ですか?


A. 主に三点あります。感染への抵抗力が下がりやすいこと、傷の治りに時間がかかりやすいこと、そして治療中の低血糖発作への備えです。加えて、服用中のお薬の情報共有と、内科主治医との連携も欠かせません。


Q2. 抜歯を検討できるHbA1cの数値はどのくらいですか?


A. 一律の基準はありません。HbA1c7%前後を一つの目安とし、6.9〜8.0%未満で検討されることが多いとされています。ただし合併症の有無や炎症の程度によって判断は変わりますし、数値が高めでも急を要する場合は、内科と相談のうえ対応を検討します。


Q3. 歯の治療で血糖値は変動しますか?


A. 治療時の緊張や痛み、局所麻酔薬に含まれるアドレナリンの影響で、一時的に上がることがあります。麻酔薬の選択や量への配慮、緊張を和らげる工夫などで対応していきます。


Q4. 治療当日はインスリンや血糖降下薬をどうすればよいですか?


A. 自己判断での休薬・減量は避けてください。処置内容によって食事制限がかかる場合は、事前に内科主治医へ確認し、その指示を歯科医師にもお伝えいただければと思います。


Q5. 血糖値が高いままだと、歯科治療は一切受けられないのでしょうか?


A. そのようなことはありません。腫れや痛みを抑える消炎処置、歯石除去、清掃指導など、負担の少ない処置から進められる場合があります。数値の改善と並行して、段階的に計画を組み立てていきます。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

4. 日本臨床歯周病学会 https://www.perio.jp/


金子 一平

歯科医師


カネコデンタルオフィス

院長

金子 一平

▶ 監修者プロフィール

経歴
平成11年3月 愛光高校卒業
平成18年3月 九州大学歯学部卒業
福岡市にて勤務
横浜市にて勤務
平成27年12月 開業
資格・所属学会
【資格】
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト
日本歯周病学会 認定医
介護支援専門員
【所属学会】
日本口腔インプラント学会
インプラントスタディグループ松山
日本矯正歯科学会
日本歯周病学会
日本顎咬合学会
四国SJCD
JACID
日本臨床歯周病学会
日本顕微鏡歯科学会