人工歯根の毎日のケア|歯ぐきを守る磨き方と歯間ブラシの選び方|松山市の歯医者|カネコデンタルオフィス【公式】

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人工歯根の毎日のケア|歯ぐきを守る磨き方と歯間ブラシの選び方

人工歯根の毎日のケア|歯ぐきを守る磨き方と歯間ブラシの選び方

毎日のケアで迷いが生じたときに確認したい基本


夜の歯みがきで歯間ブラシが人工歯の脇に引っかかり、少し血がにじむと、触ること自体をためらってしまう方は少なくありません。人工歯根を長く保つには、毛先が広がらない軽い力で歯ぐきとの境目を磨き、隙間に合うサイズの歯間ブラシを無理のない角度で通すことが基本です。 出血や違和感があるときの判断基準も含め、日々の手入れを一緒に見直していきましょう。


この記事の要点まとめ


  • 人工の歯と歯ぐきのさかい目は、毛先が広がらないくらいの軽い力でななめに当て、こまかく動かして磨きます。
  • 人工の歯の形やすき間に合わせて歯間ブラシのサイズや形を選び、むりのない角度で通します。
  • 血が出る、はれる、いつもと違う感じがするといったことが続くときは歯科医院へ相談し、定期的なメンテナンスでお口のようすを見てもらいます。

人工歯根の周りの歯ぐきを守る歯ブラシの当て方と力加減

人工歯根の周りの歯ぐきを守る歯ブラシの当て方と力加減

「強く磨くほど汚れが落ちる」は誤解|人工歯の周りで力を抜きたい理由


汚れを残したくないという思いから、つい力を入れて磨いてしまう患者さまはいらっしゃいます。しかし、強い力でこすると歯ブラシの毛先が横に広がってしまい、肝心な人工歯と歯ぐきの境目に毛先が届きにくくなります。さらに、過度な圧は歯ぐきを傷つける原因にもなりかねません。


インプラントの周りの歯ぐきを健やかに保つには、毎日の歯みがきで人工歯と歯ぐきの境目に歯垢(プラーク)を残さないようにすることが大切です。歯ブラシはペンを持つように軽く握り、毛先が広がらない程度の軽い力加減で当てることが基本です。


人工歯と歯ぐきの境目に毛先を当てる角度と小刻みな動かし方


人工歯の根元は天然歯よりもくびれがあることが多く、境目に歯垢がたまりやすい構造をしています。ここに毛先を届かせるには、歯と歯ぐきの境目に対して毛先を斜めに当て、小刻みに振動させるように動かします。 ただし、人工歯の形や歯ぐきの状態によって、合った当て方は異なります。


忙しい夜でも磨き残しを減らすには、磨く順序を決めておくのが有効です。「外側の面、内側の面、最後に噛む面」というように一定の流れで動かすと、短時間でも磨き漏れを防ぎやすくなります。歯ブラシは、毛の硬さが「やわらかめ」から「ふつう」で、奥まで届きやすい小さなヘッドのものを選ぶと扱いやすくなります。


奥歯のインプラントで磨き残しやすい面とタフトブラシの使いどころ


奥歯の人工歯は、舌が触れる内側の面や一番奥の後ろ側の面、そして隣の歯との境目に汚れが残りやすい傾向があります。通常の歯ブラシだけでは毛先が当たりにくいこうした場所には、毛束が一つにまとまったタフトブラシを取り入れるのがよい方法です。


タフトブラシの毛先を人工歯と歯ぐきの境目にそっと当て、輪郭をなぞるように優しく動かします。電動歯ブラシをお使いの場合も、ご自身でゴシゴシと動かすのではなく、回転や振動の方式に合わせて毛先を当てる位置を意識し、強く押し当てないように注意しましょう。


歯間ブラシが先か歯みがきが先か|忙しい夜に続けやすいケアの順番


一般的には、先に歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間の汚れをかき出し、その後に歯ブラシで全体を磨く順番がすすめられることが多いです。先に隙間の歯垢を動かしておくことで、後から使う歯みがき粉の成分も行き渡りやすくなります。


お仕事やご家族の用事でどうしても時間が取れない夜は、「まず歯間ブラシを通し、次に人工歯と歯ぐきの境目を中心に歯ブラシを当てる」というように優先順位をつけてみてください。無理のない手順で、毎日のケアを一緒に頑張っていきましょう。


ポイント

歯ブラシはペンを持つように軽く握り、歯ぐきとの境目に斜めに当てて小刻みに動かします。先に歯間ブラシを使ってから歯みがきをすると、効率よく汚れを落とせます。


人工歯の形で変わる歯間ブラシの選び方と通す方向


単独の人工歯・連結した被せ物・ブリッジ型で異なる、重点的に磨く場所


インプラントの周りの病気では、歯ぐきの溝の奥にたまった細菌の膜(歯垢のかたまり)を取り除くことと、毎日の歯みがきを整えることが治療の中心になります1。ただし、装着されている人工歯の形によって、汚れがたまりやすい場所や適した清掃用具は異なります。


人工歯の形態汚れが残りやすい場所使いやすい清掃用具の目安
単独の人工歯(1本)隣の歯との隙間、根元のくびれ歯間ブラシ、デンタルフロス、タフトブラシ
連結した被せ物被せ物同士がつながっている部分の下歯間ブラシ(隙間に合うサイズ)
ブリッジ型人工歯の底面と歯ぐきの間の隙間歯間ブラシ、橋渡し部用のフロス

このように形態ごとに隙間の広さや形が違うため、ご自身の人工歯がどのタイプなのかを把握したうえで用具を選ぶことが大切です。


サイズは「軽く抵抗を感じる程度」が目安|細いものに替えるだけで足りるか


歯間ブラシが引っかかると、細いサイズなら通しやすいと考える方もいますが、隙間に対して細すぎるブラシでは側面の歯垢を十分にこすり落とせないことがあります。反対に、きつすぎるサイズは歯ぐきを傷つけたり、人工歯の周囲を強く圧迫したりする原因になります。


サイズ選びの目安は、挿入したときにきつすぎず、軽く抵抗を感じる程度です。お口の中では場所によって隙間の広さが異なるため、1本のサイズですべてを済ませようとせず、部位に合わせてサイズを使い分けるのが理想的です。


I字型とL字型の使い分けと、奥歯で歯間ブラシを通す方向


歯間ブラシには持ち手がまっすぐなI字型と、先端が曲がったL字型があります。前歯の近くはI字型が扱いやすく、奥歯のインプラントには角度がついたL字型を使うと、頬の粘膜に邪魔されずに横から挿入しやすくなります。


通すときは、歯ぐきのラインに沿わせて水平に近い角度を保ち、人工歯の立ち上がりの形に合わせてゆっくり動かします。お口の外側(頬側)からだけでなく、内側(舌側)からも入れてみると、無理なく通せる方向が見つかることがあります。


引っかかる・通らないときは無理に押し込まない|その場でできる対応


歯間ブラシを通そうとして強い抵抗を感じたときに、力で押し込むのは避けてください。無理に通すと歯ぐきを傷つけるだけでなく、金属のワイヤー部分が人工歯や土台の表面をこすってしまうおそれがあります。


引っかかるときは、少し角度を変えて一度だけ優しく試してみて、それでも通らなければその日は無理に通さないでください。 その部位は歯ブラシやタフトブラシで外側から境目をなぞるだけにとどめ、ワイヤーが曲がった歯間ブラシは新しいものに交換しましょう。通らない場所については、次回の受診時に歯科医師や歯科衛生士へお伝えいただければ幸いです。


歯間ブラシで出血したときの判断基準と、次回予約を待たずに相談したい症状


器具の刺激による出血か、インプラント周囲炎のサインか|見分ける手がかり


歯間ブラシを使ったあとに出血があると驚かれるかと思いますが、原因は大きく二つ考えられます。サイズが合っていない器具を無理に通したときや、力を入れすぎたことによる軽い傷であれば、力加減や用具を見直すことで落ち着くことがあります。ただし、出血の原因をご自身で見分けられるとは限りません。


一方で、優しく磨いているのに毎回同じ場所から血が出る、歯ぐきが赤く腫れている、口臭やネバつきが気になるといった場合は、インプラント周囲の粘膜に炎症が起きているサインかもしれません1。インプラント周囲の疾患は粘膜の炎症から始まり、進行すると支えている骨が失われていくことがあるため、自己判断で様子を見すぎないことが大切です1。


予定を調整してでも早めに受診したい症状の目安


インプラントそのものには神経がなく、周りの歯ぐきに炎症が起きると痛むこともありますが、痛みが目立たないまま病気が進むこともあります。また、お口の清掃状態を整えることや、禁煙などでリスクを減らすことも、治療の大切な一部とされています1。次のような症状がある場合は、次回の定期検診を待たずに歯科医院へご連絡ください。


  • 優しいケアに切り替えても数日以上出血が続く
  • 人工歯の周りの歯ぐきが腫れている、または痛みがある
  • 歯ぐきを押すと白や黄色っぽい膿のようなものが出る
  • 人工歯がぐらつく感じや、噛んだときの違和感がある

お仕事やご家族の付き添いなどで忙しい時期であっても、まずはお電話で歯科医院へ症状をお伝えいただければ、受診を急ぐべきかどうかの目安を確認することができます。


セルフケアでは届かない部分を補う定期メンテナンスで確認すること


ご自宅での毎日の歯みがきは予防の基本ですが、どんなに丁寧に磨いていても、歯周ポケットの奥や細かい段差の歯垢・歯石までは取り除ききれません。そのため、インプラントの周りの病気を防ぐには、歯科医院で定期的なメンテナンスを受け続けることが大切です2。歯ぐきの状態や噛み合わせ、必要に応じたレントゲンなど、受ける間隔や確認する内容は、炎症の有無や清掃状態などによって調整されます。


なお、インプラント治療や術後の定期メンテナンスは、原則として自由診療(公的医療保険が使えない診療)です。主なリスク・副作用として、術後の腫れや痛みなどがあります。また、毎日のていねいな清掃と定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎になり、インプラントを取り除くことになる場合もあります3。


メンテナンスにかかるお金は、医療機関やおこなう処置によって変わります。多くの場合、お口の中を診たうえで、いくらかかるかを案内してもらえます。予定が重なって予約をのばしたときも、えんりょせずに歯科医院へお電話して、日にちを決め直してください。


使っている歯ブラシや歯間ブラシを持って受診すると確かめやすいこと


ご自身の磨き方や歯間ブラシのサイズが合っているか迷われたときは、普段ご自宅でお使いの歯ブラシ・歯間ブラシ・タフトブラシを持って受診すると、合っているかを確かめやすくなります。 医療機関によっては、実際に使っている用具を見て毛先の広がり方から普段の力加減を確かめ、人工歯の形に合わせたサイズや通す方向をお口の中で一緒に確認することがあります。


お口の状態や人工歯の形状は一人ひとり異なるため、自己判断でサイズを変えると歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。日々のセルフケアで出血や引っかかりが気になるときは、早めに専門家のチェックを受け、ご自身のお口に合った用具の選び方や動かし方のアドバイスを受けるようにしてください。当院は「松山市駅」から徒歩6分です。


ポイント

出血や腫れ、いつもと違う感じが何日か続くときは、次の予約を待たずに相談しましょう。受診のときに使っているケア用品を持っていくと、ご自身の人工歯に合ったサイズや動かし方を確かめやすくなります。


よくある質問


Q. 歯間ブラシをやめた方がいいと言われることがあるのはなぜですか?


A. 歯と歯の隙間に対してサイズが合っていない歯間ブラシを無理に通したり、誤った角度で強く動かしたりすると、歯ぐきを傷つけたり退縮させたりすることがあるためです。人工歯の周囲に適切な隙間がある場合は、隙間に合ったサイズを選び、歯科医師や歯科衛生士に確認した方向へ優しく通すことで、歯ブラシでは届かない汚れを落とす助けになります。


Q. インプラント治療後におすすめの歯磨き粉や歯ブラシはありますか?


A. 歯ブラシは、ヘッドが小さく毛先が「やわらかめ〜ふつう」のものを選ぶと、人工歯と歯ぐきの境目に当てやすくなります。歯みがき粉については、粗い研磨剤が多く含まれているものは人工歯や周囲を傷つけるおそれがあるため控え、低研磨性のものを選ぶのが一般的です。一般的なフッ素配合の歯みがき粉は天然歯のむし歯予防にも役立つため、お口全体の状態に合わせて選ぶとよいでしょう。


Q. デンタルフロスや歯間ブラシを通したときに嫌な臭いがするのはなぜですか?


A. 隙間にたまった歯垢(細菌の塊)の中の細菌が、食べかすやはがれた粘膜などに含まれるたんぱく質を分解し、臭いのある物質を作ることがあるためです。また、歯ぐきの溝に炎症が起きていて、浸出液や膿が混ざっている場合にも強い臭いを感じることがあります。丁寧な清掃を続けても臭いや出血が改善しない場合は、早めに歯科医院で状態を確認してもらいましょう。


参考文献


1. Jervøe-Storm PM, Bunke J, Worthington HV et al. Adjunctive antimicrobial photodynamic therapy for treating periodontal and peri-implant diseases. The Cochrane database of systematic reviews (2024). PMID: 38994711 / DOI: 10.1002/14651858.CD011778.pub2

2. Carra MC, Blanc-Sylvestre N, Courtet A et al. Primordial and primary prevention of peri-implant diseases: A systematic review and meta-analysis. Journal of clinical periodontology (2023). PMID: 36807599 / DOI: 10.1111/jcpe.13790

3. 顎・口腔インプラント科|神奈川歯科大学附属病院. https://old-www.kdu.ac.jp/hospital/department/dental/dental_care/dental_care_005_02.html


金子 一平

歯科医師


カネコデンタルオフィス

院長

金子 一平

▶ 監修者プロフィール

経歴
平成11年3月 愛光高校卒業
平成18年3月 九州大学歯学部卒業
福岡市にて勤務
横浜市にて勤務
平成27年12月 開業
資格・所属学会
【資格】
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト
日本歯周病学会 認定医
介護支援専門員
【所属学会】
日本口腔インプラント学会
インプラントスタディグループ松山
日本矯正歯科学会
日本歯周病学会
日本顎咬合学会
四国SJCD
JACID
日本臨床歯周病学会
日本顕微鏡歯科学会